2021/03/25 18:11
■現在の日本酒について
今の日本酒は史上最高の美味しい飲み物になっています。
日本酒というと古い飲み物というイメージを持つ方が多いと思いますが、
造り方は常に進化していて、ますます美味しくなっています。
例えばお酒造りで大切な酵母は、華やかな香りが出るものや、酸が低いものなど、
新しい種類のものが出来ています。
現在の鑑評会では、このような華やかな香りの出る酵母を使うことが、
金賞を取るためには必須になっています。
もうひとつの大切な材料である種麹は、甘みが多いながらも雑味が少ないものが新しく実用化されてきました。
この種麹によって、昔は作ることが出来なかった、スッキリとした甘さの日本酒を造ることが可能になりました。
お米の進化も特筆するべきものがあります。
昭和初期に出来た「山田錦」というお米がこれまでは最高級とされてきたのですが、
日照時間の少ない東北では栽培できないという欠点がありました。
そこで岩手県では、山田錦並の醸造特性を誇りながら、日照時間の少ない岩手でも栽培が出来る
「結の香」というお米を開発しました。
鑑評会でも、山田錦を凌ぐほどの好成績を修めています。
■お酒の値段について
お酒の値段は主に、精米歩合によるところが大きいです。
一升(1.8L)で2000円くらいのお酒ですと、精米歩合が70%程度のものが多いです。
一升で5000円を超えるお酒だと、精米歩合が40%ぐらいになってきます。
精米歩合が高くなると、お米を削る手間もかかりますし、お米の量も減るので、
たくさんお米を使わなくてはいけません。
そのふたつの要因で価格が上がることが多いです。
では、なぜお米を削るかといいますと、お米の表面はタンパク質や脂肪分が多いです。
そのため、削らずにそのままお酒にすると、味のくどい雑味の多いお酒になってしまいます。
スッキリとした飲みやすいお酒にするために、表面を削って、中心部分だけを使います。
美味しいお酒を造るためには、いろいろな手間がかかっていることを知っていただけると嬉しいです。